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子どもたちへ 本を届けよう

西日本から 子どもたちへ本を届けよう ネットワーク

『世界のはての少年』読了その後……

先日の読書会の課題図書はこちら。
ジェラルディン・マコックラン『世界のはての少年』


読んだ方は、面白かった~!と絶賛。
……また詳しくは述べませんが、今読むのにふさわしい本です。超絶、おすすめ!

絶海孤島でのサバイバル譚。
事実の断片から構築されながら現実を超えていく物語の力、
そして、想像を超え、事実を超越してく現実の凄み。
驚異的、衝撃的な読書体験が得られます。

最後の最後まで、物語が終わっても気を抜かないで、そのままあとがきまで読むことをおすすめします。

あまり予備知識なしで、どぼんと浸かってほしい。

ただ、スコットランドのヘブリディーズ諸島の外縁の島が舞台……。
多くの日本の若い読者には、おそらく想像もつかない生活、風土だと思います。
翻訳ものを少し読み慣れている人、言葉から世界観を想像するのに慣れている人の方がいいかもしれません。

というわけで、できれば、読み終わってから、のぞいてみてください。
作品の背景を知ることのできる情報(本、インターネットのブログ記事、動画など)をnoteにまとめました。先日の読書会でシェアした内容です。
しばらく、物語の世界を反芻しながら浸れると思います。

公開ノート(evernote)『世界のはての少年』の背景について

楽しい読書を!




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ファクトフルネス

『Factfulness ファクトフルネス』




いい本でした。
ビル・ゲイツも絶賛とかで、ビジネス書として紹介されているようですが……。
そういう枠やタイトルにとらわれず、多くの方に読んでみてほしい、おすすめしたい、と思える本でした。

物事のみかた、とらえかたがいかに偏りやすいものか、それを避けるにはどんなことに注意すればいいか……。
それを、角度を変えつつ、繰り返し、丁寧に説き明かしていく。
……要約すればただそれだけ、なのですが。

平易で明快な語り口。
全編に通低する誠実さ、あたたかさ。
人類へのゆるぎない信頼と未来への希望……。
行間からにじみ、あふれ、伝わってくる力に、読み進めるほどに、静かに、けれども強く、深く、心を動かされます。

いわゆるロジカル・シンキング、安易なポジティブ・シンキング、よくある行動経済学的な本とは、なぜか似て非なる読後感。
心に響く読書体験でした。

高校生でも十分読めそうなので息子にもおすすめしたんだけど、あんまり感動しすぎたせいでうまく説明できず……。わたしがおすすめした中から、彼は先にアリエリー『予想通りに不合理』を手に取りました。



こちらは少々旧聞でして。
いわゆる行動経済学の本、です。

人は「無料」という言葉にどのくらい弱いか、性的興奮がどのくらい判断を誤らせるか、
人の評価がいかにあやふやなものか、ボランティアと仕事の違い、等々。
面白実験、目白押し。

読めば誰しも、身につまされるところがいくつかあるのではないでしょうか。
人間って愚かだな、人間ってなんて愛おしいんだろう……なんて感慨ももよおしつつ、興味深く読めることうけあい。
そして、人間の行動原理についての理解を深めつつ、より望ましい結果を導くためにはどうするべきかを考えるヒントを見つけることができます。


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サリーのこけももつみ Blueberries for Sal

まごうことなき傑作ですが、この本の真価は子どもに読み聞かせてこそ分かります。
……というか、私がそうでした。

子どもに本をよむとき、どんなことがおこってるのか……。
そんなことを書いたものが、パソコンの中を整理していたら出てきました。
おそらく、学内の図書館報に掲載いただいたものだと思います。2009年となっているので、今から9年も前ですね。

「サリーのこけももつみ」 ロバート・マックロスキー作 石井 桃子訳 岩波書店 1986年


~子どもと絵本を読むとき~

 車座になって、何かを待ち受けている、そんな子どもたちの中へ入っていくとき、心の中を不安が駆け抜けていく。
今日はどんな子どもたちだろう。子どもたちの様子は? この本、このプログラムでよかっただろうか……。
 絵本を取り出すと、子どもたちの視線がいっせいに絵本に注がれる。

 あるひ、サリーは おかあさんと こけももやまへ、こけももを つみにいきました。
 サリーは、ちいさな ぶりきの ばけつをもち、おかあさんは、おおきな ばけつを もっていきました。
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アイヌ昔話絵本「ひまなこなべ」

アイヌの神話伝承を「チリとチリリ」の絵本作家どいかやさんが絵本に。
これまでになくユーモラスかつ、あたたかく愛らしいアイヌの物語の本。手元において眺めたい。定番入り決定!




アイヌの人々や物語を扱ったこれまでの本のイメージからすると、どいかやさんの絵はかわいらしすぎるのでは……と、
少々おそれながらひらいてみたら……。もう、素晴らしい!の一言でした。

これを描くために、かなりのリサーチを重ね、細部にいたるまで愛情を持って描かれたことが画面から伝わってきます。
衣装や家屋、民具などが正確に描かれ、人々の暮らしが手に取るように分かることは言うまでもなく。
アイヌの美しい女性の代名詞でもあった、口の周りの刺青まできちんと施されています。
子ども向けの本では初めてではないでしょうか。

原話は、萱野茂『アイヌの昔話:ひとつぶのサッチポロ』(平凡社)に所収の「暇な小鍋」。絵本も、萱野茂の再話です。

あるとき、クマの神が、心の美しいアイヌのところに姿をあらわして狩られました。
アイヌの家では、盛大にクマ祭りがひらかれて、歌や踊りが始まります。
ふと気づくと、驚くほどに見事に踊る者がいます。
クマの神は、その踊りにすっかり魅了され、踊り手が誰なのかが知りたくてたまりません。
それからというもの、クマの神は、何度も同じアイヌに狩られて、その家を再訪するのですが……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アイヌにとって、クマを狩ることは、人としての品性を試されること、人と神との関係を確かめることです。
優れた人間のところに、クマの神が狩られるためにやってきてくれる。
祭りを執り行い、クマの神を歓待して神の国に送り返すと、クマの神は、歓待されことを忘れずに、また、人間のところにやってきてくれる。
アイヌのクマ祭りは、神の歓待であり、神の再来を祈念する祭りなのです。

この物語にふれると、アイヌの人々の暮らし、神と人、動物と人との関係、熊祭りという儀式の意味、神謡(カムイユーカラ)という物語の機能などが、自然に難しいところなく理解できることでしょう。

それだけでなくアイヌの暮らしの厳しさと美しさ、遊びと喜び、ユーモアや笑いまで、画面からこぼれんばかり。
物語りを耳で味わう楽しさ、心地よさとともに、絵を見る楽しみも堪能できます。

関連記事→アイヌネノアンアイヌ・クナウとひばり・カムイの森風の神とオキクルミ「ク スクップ オルシペ 私の一代の話」砂沢 クラ 著



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月をながめる絵本

月がきれいですね。
涼しくなった夜に、月を眺めながらお散歩するのが好きです。

月も好き、青色も好き…というわけで、こういう表紙を見ると、思わず手に取ってしまいます。
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350_Ehon_10238.jpg


そこで、私の好きな月の絵本のページを作ってみました。

こちらからどうぞ!↓
子どもの本・絵本・おはなしいろいろ―月の絵本






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子どもたちへ 本を届けよう 子どもたちへ 本を届けよう ★ほんのおすすめ book review

子どもたちへ 本を届けよう

西日本から 子どもたちへ本を届けよう ネットワーク

『世界のはての少年』読了その後……

先日の読書会の課題図書はこちら。
ジェラルディン・マコックラン『世界のはての少年』


読んだ方は、面白かった~!と絶賛。
……また詳しくは述べませんが、今読むのにふさわしい本です。超絶、おすすめ!

絶海孤島でのサバイバル譚。
事実の断片から構築されながら現実を超えていく物語の力、
そして、想像を超え、事実を超越してく現実の凄み。
驚異的、衝撃的な読書体験が得られます。

最後の最後まで、物語が終わっても気を抜かないで、そのままあとがきまで読むことをおすすめします。

あまり予備知識なしで、どぼんと浸かってほしい。

ただ、スコットランドのヘブリディーズ諸島の外縁の島が舞台……。
多くの日本の若い読者には、おそらく想像もつかない生活、風土だと思います。
翻訳ものを少し読み慣れている人、言葉から世界観を想像するのに慣れている人の方がいいかもしれません。

というわけで、できれば、読み終わってから、のぞいてみてください。
作品の背景を知ることのできる情報(本、インターネットのブログ記事、動画など)をnoteにまとめました。先日の読書会でシェアした内容です。
しばらく、物語の世界を反芻しながら浸れると思います。

公開ノート(evernote)『世界のはての少年』の背景について

楽しい読書を!




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ファクトフルネス

『Factfulness ファクトフルネス』




いい本でした。
ビル・ゲイツも絶賛とかで、ビジネス書として紹介されているようですが……。
そういう枠やタイトルにとらわれず、多くの方に読んでみてほしい、おすすめしたい、と思える本でした。

物事のみかた、とらえかたがいかに偏りやすいものか、それを避けるにはどんなことに注意すればいいか……。
それを、角度を変えつつ、繰り返し、丁寧に説き明かしていく。
……要約すればただそれだけ、なのですが。

平易で明快な語り口。
全編に通低する誠実さ、あたたかさ。
人類へのゆるぎない信頼と未来への希望……。
行間からにじみ、あふれ、伝わってくる力に、読み進めるほどに、静かに、けれども強く、深く、心を動かされます。

いわゆるロジカル・シンキング、安易なポジティブ・シンキング、よくある行動経済学的な本とは、なぜか似て非なる読後感。
心に響く読書体験でした。

高校生でも十分読めそうなので息子にもおすすめしたんだけど、あんまり感動しすぎたせいでうまく説明できず……。わたしがおすすめした中から、彼は先にアリエリー『予想通りに不合理』を手に取りました。



こちらは少々旧聞でして。
いわゆる行動経済学の本、です。

人は「無料」という言葉にどのくらい弱いか、性的興奮がどのくらい判断を誤らせるか、
人の評価がいかにあやふやなものか、ボランティアと仕事の違い、等々。
面白実験、目白押し。

読めば誰しも、身につまされるところがいくつかあるのではないでしょうか。
人間って愚かだな、人間ってなんて愛おしいんだろう……なんて感慨ももよおしつつ、興味深く読めることうけあい。
そして、人間の行動原理についての理解を深めつつ、より望ましい結果を導くためにはどうするべきかを考えるヒントを見つけることができます。


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サリーのこけももつみ Blueberries for Sal

まごうことなき傑作ですが、この本の真価は子どもに読み聞かせてこそ分かります。
……というか、私がそうでした。

子どもに本をよむとき、どんなことがおこってるのか……。
そんなことを書いたものが、パソコンの中を整理していたら出てきました。
おそらく、学内の図書館報に掲載いただいたものだと思います。2009年となっているので、今から9年も前ですね。

「サリーのこけももつみ」 ロバート・マックロスキー作 石井 桃子訳 岩波書店 1986年


~子どもと絵本を読むとき~

 車座になって、何かを待ち受けている、そんな子どもたちの中へ入っていくとき、心の中を不安が駆け抜けていく。
今日はどんな子どもたちだろう。子どもたちの様子は? この本、このプログラムでよかっただろうか……。
 絵本を取り出すと、子どもたちの視線がいっせいに絵本に注がれる。

 あるひ、サリーは おかあさんと こけももやまへ、こけももを つみにいきました。
 サリーは、ちいさな ぶりきの ばけつをもち、おかあさんは、おおきな ばけつを もっていきました。
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アイヌ昔話絵本「ひまなこなべ」

アイヌの神話伝承を「チリとチリリ」の絵本作家どいかやさんが絵本に。
これまでになくユーモラスかつ、あたたかく愛らしいアイヌの物語の本。手元において眺めたい。定番入り決定!




アイヌの人々や物語を扱ったこれまでの本のイメージからすると、どいかやさんの絵はかわいらしすぎるのでは……と、
少々おそれながらひらいてみたら……。もう、素晴らしい!の一言でした。

これを描くために、かなりのリサーチを重ね、細部にいたるまで愛情を持って描かれたことが画面から伝わってきます。
衣装や家屋、民具などが正確に描かれ、人々の暮らしが手に取るように分かることは言うまでもなく。
アイヌの美しい女性の代名詞でもあった、口の周りの刺青まできちんと施されています。
子ども向けの本では初めてではないでしょうか。

原話は、萱野茂『アイヌの昔話:ひとつぶのサッチポロ』(平凡社)に所収の「暇な小鍋」。絵本も、萱野茂の再話です。

あるとき、クマの神が、心の美しいアイヌのところに姿をあらわして狩られました。
アイヌの家では、盛大にクマ祭りがひらかれて、歌や踊りが始まります。
ふと気づくと、驚くほどに見事に踊る者がいます。
クマの神は、その踊りにすっかり魅了され、踊り手が誰なのかが知りたくてたまりません。
それからというもの、クマの神は、何度も同じアイヌに狩られて、その家を再訪するのですが……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アイヌにとって、クマを狩ることは、人としての品性を試されること、人と神との関係を確かめることです。
優れた人間のところに、クマの神が狩られるためにやってきてくれる。
祭りを執り行い、クマの神を歓待して神の国に送り返すと、クマの神は、歓待されことを忘れずに、また、人間のところにやってきてくれる。
アイヌのクマ祭りは、神の歓待であり、神の再来を祈念する祭りなのです。

この物語にふれると、アイヌの人々の暮らし、神と人、動物と人との関係、熊祭りという儀式の意味、神謡(カムイユーカラ)という物語の機能などが、自然に難しいところなく理解できることでしょう。

それだけでなくアイヌの暮らしの厳しさと美しさ、遊びと喜び、ユーモアや笑いまで、画面からこぼれんばかり。
物語りを耳で味わう楽しさ、心地よさとともに、絵を見る楽しみも堪能できます。

関連記事→アイヌネノアンアイヌ・クナウとひばり・カムイの森風の神とオキクルミ「ク スクップ オルシペ 私の一代の話」砂沢 クラ 著



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月をながめる絵本

月がきれいですね。
涼しくなった夜に、月を眺めながらお散歩するのが好きです。

月も好き、青色も好き…というわけで、こういう表紙を見ると、思わず手に取ってしまいます。
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そこで、私の好きな月の絵本のページを作ってみました。

こちらからどうぞ!↓
子どもの本・絵本・おはなしいろいろ―月の絵本






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