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子どもたちへ 本を届けよう

西日本から 子どもたちへ本を届けよう ネットワーク

読書会⑧2017年

読書会まとめすら、更新が進みません。その都度、記録をとっていたら……とか言っている場合ではなかったか。
そんなわけで、また間があいてしまいましたが、第7弾です。

2017年 (平成29年) 8年目

3月 歓送会
4月 休会

5月
 ●幼年文学絵本の次のステップになる本
 海外作品1冊、国内作品1冊、持ち寄りブックトーク
 
 関連記事①→「読書会スタート!」
 関連記事②→「読書会~読書への橋渡し」

6月
 ●フィリップ・リーヴ 『アーサー王 ここに眠る』 井辻 朱美訳 (東京創元社、2009)
7月
 ●フィリップ・リーヴ 『アーサー王 ここに眠る』 井辻 朱美訳 (東京創元社、2009)

8月 休会

9月
 ●斎藤惇夫「河童のユウタの冒険」福音館書店
10月
 ●斎藤惇夫「河童のユウタの冒険」福音館書店

11月
 ●『仮面の街』ウィリアム・アレグザンダー(東京創元社、2015)

12月 忘年会

1月
 ●カイ・マイヤー「鏡のなかの迷宮」シリーズ

2月 (吉野へ旅行)

3月
 ●カイ・マイヤー「鏡のなかの迷宮」シリーズ



 この年は、二回連続が多くなりました。けっこう長い作品もあったのですが、そのほか、参加がまばらであったり、読み切れずに参加した人がいたり、ということで、では、もう1回ということになったのだと思います。臨機応変というか、融通無碍というか……それもまた、この読書会のよさでしょうか。 

 そして、この夏、私は、少々無理をして、アイルランドに出かけたために夏から秋にかけてはとても忙しく、その反動か、下半期、なんだか不調で、活動が低下してしまったのでした。
 そんなわけで、9月、10月は、課題図書選びも、当日の会の仕切りも、なんとなく会のみなさまを頼っていました。頼もしい参加者のみなさまには感謝しかありません。

 出だしは、図書館員さんの発案による、とっても役に立つブックトーク会です。これはとてもたくさん本が集まって、楽しかったですね。

 その後の流れはファンタジー系ですが、今見ると、ちょっと面白い作品選択ですね。
 
 『アーサー王 ここに眠る』は、アーサー王伝説の現代版で、ひねりが効いています。
 そのほかも、大人向けかな?とも思えるような作品が並びました。

 『仮面の街』については、微妙というか面白さが分からないという意見も出ました。なんというか、何が起こるか、出来事に注目して筋を追うタイプの作品ではなく、想像力によって構築される世界のあり方を楽しむ作品といえばいいでしょうか。
 私はこういうタイプの作品、好きです。装丁、挿絵もきれいで好ましい。2012年の全米図書賞受賞作。

 読書会では、いつかみんなで合宿でもしたいね~なんて、いつも冗談で言っていたのですが、なんと、この年、実際に、お宿をとって、一泊旅行を企画しました。吉野山、金峯山寺。
 結局、二人旅になりました。旅館もとてもよく、食べまくり、そして、山道を歩きまくり、電車の時間に遅れそうになるという、まるで、修学旅行みたいな珍道中。これはとてもいい思い出です。

 そんなこんなで、紆余曲折、しんどい時もありながら、そこここに、楽しみをしのばせて、なんとかかんとか、続いた読書会でした。今、思えば、ほんとうに嬉しくありがたいことでした。





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読書会⑦2016年

研究室で開催している読書会が、気づいてみたら、思いのほか長く続いていました。
そこで、2016年の1月から、少しずつ、まとめ記事を書き始めました。
だんだん現在に近づいてきて、あと少しです。毎年、その都度、書いておけばよかったのになぁ……と反省しつつ。

2016年 (平成28年) 7年目

5月
●R.J.パラシオ作『ワンダー』(ほるぷ出版、2015)
 →関連記事「ワンダー(Wonder)」を読んで聴いて。」

6月
●サリー・ガードナー作『火打ち箱』(東京創元社、2015)

7月 休会
8月
●サリー・ガードナー作『火打ち箱』(東京創元社、2015)
●アンデルセン「火打ち箱」

9月 休会
10月
●バージニア・リー・バートンの絵本 ~ 知っているつもりの古典絵本~

11月 休会
12月
●額賀澪(ぬかが みお)
『屋上のウインドノーツ』(2015年6月、文藝春秋)(第22回松本清張賞「ウインドノーツ」改題)
『ヒトリコ』 (2015年6月、小学館)第16回小学館文庫小説賞

1月 新年会
2月
●森絵都『クラスメイツ』(偕成社、2014)




関屋キャンパスからの通算7年目、小阪キャンパスに移転、再開して二年目。

この年は、鉄板の古典、バージニア・リー・バートンの絵本をはさんで、比較的新しく、生きのよいYAが並びました。
参加者の意識や好み、仕事上のアップデートの必要が反映されています。

また、YAの翻訳出版の活性化、子どもに読みやすく、新しい本への要求、期待の高まりが、背景にあります。

古めかしい本にはなかなか子どもの手がのびないということが以前よりも認知されてきました。
学校司書も増えてきて、今、目の前にいる子ども、そしてこれからの多様化する社会を生きていく子どもに、どんな本をすすめればいいのかが問われていることを感じます。

特に、非常に話題を呼んでいた『ワンダー』、そして、デビューしたばかりで受賞ラッシュだった額賀澪と、久々にYAに戻ってきた森絵都の読み比べは、とても新鮮で刺激の多い読書となりました。

『ワンダー』は、先天性の染色体異常により、顔に顕著な骨形成不全などがあらわれるトリーチャー・コリンズ症候群の少年オーガストが主人公です。
身体障碍者は、子どもの本にも比較的よく取り上げられますし、心理面の問題を抱える主人公もYAには珍しくありません。
また、精神障碍者が、社会の様々な場面で不可視化されていることは、以前から各方面で指摘されています。
自分を醜いと思い込んでしまう心理的な問題、あるいは、傷や痣などの見た目をケアするカバーメイク、ケアメイクの存在などは知っていましたし、それなりに関心を寄せていました。
しかし、私自身の不明を恥じなければなりませんが、この作品に出会うまで、トリーチャー・コリンズ症候群のような人を身近には知らず、これまで考慮してみたこともまったくありませんでした。

この作品は、いくつかのパートに分かれていて、そのパートごとに視点人物が移り変わっていきます。
その構成によって、センシティブな内容を取り扱いながら、突き放しすぎず、寄り添いすぎず、登場人物を誰一人としておろそかにしないで語ることに成功しています。
主人公のオーガストはもちろん、その家族、まわりの子どもたち、さらにそれをとりまく先生や親、といった登場人物について、心の機微、ささやかな行動の積み重ね、それらが波及して起こる反応や行動、出来事の連鎖が丁寧に描かれていきます。

オーガストをいじめる子どもも、単なる悪い子、主人公の敵という型にははめずに、背景にも筆を届かせて、その心のうちをきちんと想像させてくれます。
徐々にオーガストとうちとけていく子どもたち、親しくなっていく仲間についても、決して単なるいいやつとして描きません。

絡み合う人間模様、個々人の複雑な思い、心の揺らぎをとらえ、描かれていることのさらに外側を想像させることで、単なる勧善懲悪もの、感動ものとは一線を画しました。

パートが変わるたびに、別の視点を与えられるので、読者は、謎解き、答え合わせの面白さも味わいながら、多面的に、物語を構築していくことができます。
パートが切り替わる前後のつなぎ方、スイッチの仕方も見事でした。

登場人物との距離の取り方、視点の切り替えの妙でしょうか。
大変センシティブで深い内容ながら、さらさらと読めて、読後感はまったく重たくありません。
現実は厳しく、つらいこともたくさんあるけれど、泣いて笑って、あくまで爽やか。
あきらめないで、希望を捨てないで、生きていける、生きていこう。そんな風に背中をすこしおしてくれる、そんな本です。

この作品と、この作品を原作とした映画は、どちらも高く評価されました。
その社会に与えたインパクトは相当のものだったと思います。

こんな風に(↓)、耳目にふれる機会が増えたのも、この作品の影響では……と考えます。
「顔ニモマケズ、僕は生きる 内面好きと言ってくれた彼女」(朝日新聞デジタル)

新鮮で切実でひりひりするような作品は、確実に、子どもたちの心に響くはず。
そして、大人にも届きます。
優れた作品は、社会の変化を少し促すことができる、そんなYAの力を感じるこの頃です。

このときはたしか、学会の企画で森絵都さんのお話を聴く機会があり、『クラスメイツ』創作にまつわるエピソードなどもうかがいました。
お話の内容もとても興味深く、面白かったのですが、森絵都さんの人となり、たたずまい、丁寧に発せられる声や言葉にふれて、作品の背骨のようなものを感じられたことが印象的でした。




映画も原作をリスペクトした丁寧な作りで、素晴らしい作品でした。
パートごとにフォーカスする人物が移っていく構成が映画にも生きています。










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読書会⑥2015年

研究室で開催している読書会のまとめを少しずつアップしています……。
やっと6年目まできました。

2015年 (平成27年) 6年目

~5月まで お休み

6月 20150627
●セリア・リーズ著 『魔女の血をひく娘』(1・2) 理論社 2003年 2006年
 →関連記事 「魔女の血をひく娘」へ

8月 20150801
●上橋菜穂子 『精霊の木』

9月 20150829
●シャーマン・アレクシー 『はみだしインディアンのホントにホントの物語』

10月 20151010
●シロドーラ・クローバー『イシ:北米最後の野生インディアン』(岩波書店)
  →関連記事 二つの世界を生きる

11月 お休み
12月 忘年会

1月
●ローラ・インガルス・ワイルダー「大きな家」シリーズ
2月
●ローラ・インガルス・ワイルダー「大きな家」シリーズ
 →関連記事① 読書会の予定 大草原の小さな家 (2015-10-31)
 →関連記事② 読書会「大草原の小さな家」シリーズ (2016-02-06)
 →関連記事③ 小さな家のローラ生誕150周年イベント (2018-02-01)

 →関連記事おまけ のっぽのサラ more (2012-09-26)



前年度の3月から5月までは、休会でした。

キャンパス移転、統合により、東大阪の新たな研究室にお引越ししての再開。
あまり間があくと、どんどん億劫になってしまうし、心が離れてしまうので、なんとか早期に再開を!と念じていたことを思い出します。
とはいえ、移転前後はとても忙しく、体力面も厳しく、生活も大きく変わったので、再開して大丈夫かな……と不安まじりでした。

場所が変わって、勤務地やご自宅から遠くなった方も多かったのですが、みなさんが再開を楽しみに待っていてくださり、また戻ってきてくれたことはとても嬉しく、久々の集まりを開いたときには、なんだか、わくわくしていました。

そういうわけで、この一年間は、回数は減ったものの、非常に充実したラインナップで終えることができました。
並んでいる本のタイトルに、再開を待っていたメンバーの意気込みが感じられます。
どの本も、参加者には好評で、楽しく、深く、盛り上がった読書会でした。

作品をご存知の方には、この流れの意味が理解できるでしょうか。
旧世界から新世界への移民、先住民と移民との関わり、交わり、アメリカの開拓史に焦点をあてたラインアップとなりました。
最初からこんな風に計画したわけではなく、一冊読んでは話し合い、考え、疑問がふくらみ、もっともっとと話が広がっていったなかで、じゃぁ、次はこれ、次はこれ、と課題が決まっていった結果です。
みんなで読むことの面白さ、醍醐味はこういうところにあると思います。

過去と現在を行ったり来たり、フィクションとノンフィクションを行ったり来たり。
ぐるぐるとらせんを描くように、読書が深まり、興味、感心が広がり、理解が深まった一年でした。

『イシ』の作家シオドーラ・クローバーは、「ゲド戦記」シリーズのアーシュラ・ル・グィンの母親です。
「ゲド戦記」の作家の背景が分かると作品の理解も深まります。

読書を重ねてから、ワイルダーの「大きな家」シリーズを再読してみると、書かれていないことがいかにたくさんあるのかが見えてきます。

素晴らしい読書を重ねて、読書会の再開が祝された1年でした。

あらためて、読書会が続けられていることに感謝、ともに読書を積み重ねてきた仲間に感謝しつつ、今年も暮れていきます。
さて、来年はどんな本、どんな読書が待っているでしょうか。







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読書会⑤2014年

・・・・・・読書会の記録を少しずつアップしています。

2014年(平成26年)5年目

4月 ●持ち寄りブックトーク
「道」(T)、「私の住んでいるところ」(N)、保育現場から(M)などなど

5月 ●持ち寄りブックトーク「赤ちゃん絵本」 & 慰労会・激励会(ゲスト参加)

6月 ●昨年1年間に出た本

7月 ●加古里子の絵本 ~ 知っているつもりの古典絵本~

8月お休み

9月   ●トーヴェ・ヤンソン「ムーミン」シリーズ ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~

10月 ●トーヴェ・ヤンソン「ムーミン」シリーズ ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~

11月 ●キャサリン・M ・ブリッグズ 『魔女とふたりのケイト』(神村)

12月 休み
1月 新年会
2月 ●「フランバーズ屋敷の人びと」シリーズ ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~
3月から休会




・・・・・・長らくお世話になった関屋キャンパスでの読書会はこれでおしまい。
しばらくキャンパス移転のため、休会・・・・・・。
今思えば、5年目という、なんとなく区切りの年にキャンパス移転が重なったんですね。

そして、この年には、ずっと参加して下さったメンバーさんにもいろいろと変化がありました。
それで、5月には、研究室をはなれて、慰労会を開催しています。
職場の異動、出産、お子さんの進級や卒業……。
女性が集まると、ほんとうに、いろいろな節目がめぐってくるものですね。
そして、その影響をもろに受けるのは女性なんだな、と、そのメリット、デメリット、いろいろな見方はできますが、強く感じます。

読書会の参加者はみなさん、まじめ!で、粘り強くて、弱る時もあり、忙しくて読書会に来れない時期もありながら、いろんなことに立ち向かうともなく立ち向かい、読書会とも細く長くつながって下さっています。

そんなわけで、互いに互いの健闘を祝すことがあってもいいのではないかと思って、ちょっといつもとは違う特別な会をひらいたのでした。ふだん、こころよく、母親を送り出してくれる子どもも、この時にはゲストとして参加してくれました。

お外での食事会でも、ちゃんとお題を決めて、本を持ち寄りました。なんて真面目!? 画期的でしたね(笑)。
お題は「赤ちゃん絵本」。
妙齢の(?)男の子がおばさんに絵本を読み聞かせてくれることなんて、そうそうないですから、素晴らしい読書会だったことはいうまでもありません。
今では懐かしい、貴重な思い出の一コマです。

通常の読書会についても、ブックトークあり、名作再読あり、一年間に出た本の回顧、絵本と、従来路線を踏襲しつつ、なかなか充実した一年でした。

長編が課題となった場合はもちろん、それだけでなく、諸事情から出席者が少ない回も増えてきまして、一回では終わらず、二回、三回と同じ本をとりあげることもこの頃から増えてきました。

持ち寄りブックトークは、個性があらわれて、テーマも、それにそって選ばれた本も印象に残ります。
何より、その時に、一人ひとりが、どんな表情で、どんな口ぶりで、本を紹介したり、読んだりしていたか、というのがとても印象に残ります。
心のこもった読み聞かせの深い味わい。好きなことについて一生懸命語る人の美しい表情。
それが人の心を打つし、そういうことの細部が脳裏に焼きつくんですね。
ゼミの卒業生が、赤ちゃん向けの絵本を紹介しながら、職場で関わっている子どもたちについて愛おしそうに語ってくれたことなどが、ありありと思い出されます。

キャサリン・M ・ブリッグズ 『魔女とふたりのケイト』は、あまり有名ではないかもしれません。
「くるみわりのケイト」として知られるイギリスの昔話を題材にして、歴史的な事実などもうまく取り込んで作られています。
「くるみわりのケイト」を語るのが好きなので、それに関係ある本として、紹介しました。

しばらく読書会を続けてみて、続けることのしんどさはもちろんあるのですが、読書の力や、同じ本をみんなで読むことで結びつけられ、支えられ、そこから力を引き出すことができる、そんなことを感じます。

キャンパス移転の前後は、とても大変でした。
まさしく「突貫工事」で、引っ越し作業をしていました。
学生たちもよく手伝ってくれて、当時のゼミ生はよくがんばってくれたと、感謝の思いがわいてきます。
そんなこんなで、この年は移転作業で暮れました。

読書会の一時休会を決めた時点では、移転後に再開するかどうか、継続できるかどうか、迷っていて結論は出せていませんでした。
読書会をはじめてちょうど5年目。
振り返ってみると、読書会にとっても、読書会メンバーにとっても、私にとっても、いろいろな意味で、節目を乗り越える時期だったのかもしれません。

さてさて、無事、再開できたかどうかは、次の「読書会⑥」でお読みください。




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読書会④2013年

2013年(平成25年) 4年目

読書会まとめ記事、第4弾です。

4月 20130413
●エーリヒ・ケストナー『エーミールと探偵たち』 ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~

5月 201305
●あまんきみこさんの講演会(SH)

6月 20130608
●エーリヒ・ケストナー(神村)

7月 20130708
●課題図書について(TM)
●ブックトーク中学生向け「せなか」(NT)
 →関連記事① 「読書会①課題図書について」
 →関連記事② 「読書会②ブックトーク(中学生)」


8月 休み
9月 20130907
●百舌鳥・古市古墳群、竹内街道・横大道1400年にちなみ、日本の古代の歴史について学ぶ(TM・TA・FY)

10月 20131005
●昔話とメディアについて考える(TM)

11月 20131116
●日本の古代に取材したファンタジー作品

12月 忘年会
1月 20140125
●映画『風の丘を越えて~西便制』イム・グォンテク(林 權澤)監督(1993)(神村)

2月 20130201
●映画『スケッチ・オブ・ミャーク』(大西功一監督、久保田麻琴原案、監修、整音)(神村)

3月 20130308
●「古事記」




7月、8月、10月と図書館さんの行事や講座などの関連で、様々情報をシェアしていただいたり、関連の本を探して読んでみたりということが続きました。
当たり前の日常の中に、伝説も遺跡もたくさんあって、ふとしたときに、聖徳太子やヤマトタケルに出会える、そんなお土地柄。
それもまたありがたいことですよね。
そして、仕事熱心、勉強熱心な司書さんに感謝。

あまんきみこさんの会は、講演会に参加された方が持っておられた資料などをシェアしていただきました。
あまんさんのお人柄にふれたような気がして、また作品をてにとってみようかと思える貴重な機会でした。

前半に、ドイツの作家、エーリヒ・ケストナーを二回とりあげています。
かなり詳しい最近の伝記をひもときながら、第二次大戦中のケストナーの立場やその背景などを掘り下げました。
ナチス・ドイツの国策映画、ドイツとアメリカのプロパガンダ映画合戦、亡命ユダヤ人とアメリカの映画産業などなど、背景を描きながら、ケストナーがどのような立ち位置にあり、「その時、何をしていたのか」を問い直すと、児童文学作家としてだけとらえていては見えてこないことが見えてきました。

昔話とメディアについて考えたり、語りの講座を受けたりする流れのなかで、珍しく、映画を二本、鑑賞しています。
これにはいろいろなきっかけがあったのですが、そのひとつは、過去記事をご覧ください。↓

関連記事③→親子で楽しむアフリカの昔話と音楽
関連記事④→アフリカの絵本とおはなしと音楽


アフリカの語り音楽と絵本を楽しむ講座に息子と一緒に参加しました。
素晴らしい体験でした。今ではいい思い出です。

そしてその後、同じく山村規子先生の語りに関する講座を受講し、先生をかこんで、司書さん、受講者とお話する時間がもてたことで、さまざまな刺激を受けました。

私が以前から気になっていた、日本のゴゼ唄と、朝鮮の伝統芸能パンソリの関係について、山村先生と話題にしたことがきっかけで、『風の丘を越えて』につながりました。
パンソリの語り、うたいの様相がよく分かる映画です。
韓国映画が注目され始めた時期の映画としてもおさえておきたい映画です。l
『スケッチ・オブ・ミヤーク』は、宮古島に残る神謡に取材したドキュメンタリー映画です。
この映画は、ほんとうに、たまたま、監督さんのトーク付きの上映会を見つけて、鑑賞しに行ったものです。
特別な演出のない淡々とした映画でしたが、このタイミングでなければ撮れなかった映像、映画で、深い感動がありました。

生の語りというものにふれる機会が少ない昨今、こういった映像資料なども利用して、少しでもその真髄に少しでもふれたい、近づきたいと思います。
また、『スケッチ・オブ・ミヤーク』のような映画が残されることの文化的意義ははかりしれません。

みんなの興味・関心のおもむくまま、話の流れるままに、単なる読書にとどまらない広がりがあり、様々な刺激を受けて、感じ考えた1年だったようです。



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子どもたちへ 本を届けよう 子どもたちへ 本を届けよう ☆読書会まとめ

子どもたちへ 本を届けよう

西日本から 子どもたちへ本を届けよう ネットワーク

読書会⑧2017年

読書会まとめすら、更新が進みません。その都度、記録をとっていたら……とか言っている場合ではなかったか。
そんなわけで、また間があいてしまいましたが、第7弾です。

2017年 (平成29年) 8年目

3月 歓送会
4月 休会

5月
 ●幼年文学絵本の次のステップになる本
 海外作品1冊、国内作品1冊、持ち寄りブックトーク
 
 関連記事①→「読書会スタート!」
 関連記事②→「読書会~読書への橋渡し」

6月
 ●フィリップ・リーヴ 『アーサー王 ここに眠る』 井辻 朱美訳 (東京創元社、2009)
7月
 ●フィリップ・リーヴ 『アーサー王 ここに眠る』 井辻 朱美訳 (東京創元社、2009)

8月 休会

9月
 ●斎藤惇夫「河童のユウタの冒険」福音館書店
10月
 ●斎藤惇夫「河童のユウタの冒険」福音館書店

11月
 ●『仮面の街』ウィリアム・アレグザンダー(東京創元社、2015)

12月 忘年会

1月
 ●カイ・マイヤー「鏡のなかの迷宮」シリーズ

2月 (吉野へ旅行)

3月
 ●カイ・マイヤー「鏡のなかの迷宮」シリーズ



 この年は、二回連続が多くなりました。けっこう長い作品もあったのですが、そのほか、参加がまばらであったり、読み切れずに参加した人がいたり、ということで、では、もう1回ということになったのだと思います。臨機応変というか、融通無碍というか……それもまた、この読書会のよさでしょうか。 

 そして、この夏、私は、少々無理をして、アイルランドに出かけたために夏から秋にかけてはとても忙しく、その反動か、下半期、なんだか不調で、活動が低下してしまったのでした。
 そんなわけで、9月、10月は、課題図書選びも、当日の会の仕切りも、なんとなく会のみなさまを頼っていました。頼もしい参加者のみなさまには感謝しかありません。

 出だしは、図書館員さんの発案による、とっても役に立つブックトーク会です。これはとてもたくさん本が集まって、楽しかったですね。

 その後の流れはファンタジー系ですが、今見ると、ちょっと面白い作品選択ですね。
 
 『アーサー王 ここに眠る』は、アーサー王伝説の現代版で、ひねりが効いています。
 そのほかも、大人向けかな?とも思えるような作品が並びました。

 『仮面の街』については、微妙というか面白さが分からないという意見も出ました。なんというか、何が起こるか、出来事に注目して筋を追うタイプの作品ではなく、想像力によって構築される世界のあり方を楽しむ作品といえばいいでしょうか。
 私はこういうタイプの作品、好きです。装丁、挿絵もきれいで好ましい。2012年の全米図書賞受賞作。

 読書会では、いつかみんなで合宿でもしたいね~なんて、いつも冗談で言っていたのですが、なんと、この年、実際に、お宿をとって、一泊旅行を企画しました。吉野山、金峯山寺。
 結局、二人旅になりました。旅館もとてもよく、食べまくり、そして、山道を歩きまくり、電車の時間に遅れそうになるという、まるで、修学旅行みたいな珍道中。これはとてもいい思い出です。

 そんなこんなで、紆余曲折、しんどい時もありながら、そこここに、楽しみをしのばせて、なんとかかんとか、続いた読書会でした。今、思えば、ほんとうに嬉しくありがたいことでした。





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読書会⑦2016年

研究室で開催している読書会が、気づいてみたら、思いのほか長く続いていました。
そこで、2016年の1月から、少しずつ、まとめ記事を書き始めました。
だんだん現在に近づいてきて、あと少しです。毎年、その都度、書いておけばよかったのになぁ……と反省しつつ。

2016年 (平成28年) 7年目

5月
●R.J.パラシオ作『ワンダー』(ほるぷ出版、2015)
 →関連記事「ワンダー(Wonder)」を読んで聴いて。」

6月
●サリー・ガードナー作『火打ち箱』(東京創元社、2015)

7月 休会
8月
●サリー・ガードナー作『火打ち箱』(東京創元社、2015)
●アンデルセン「火打ち箱」

9月 休会
10月
●バージニア・リー・バートンの絵本 ~ 知っているつもりの古典絵本~

11月 休会
12月
●額賀澪(ぬかが みお)
『屋上のウインドノーツ』(2015年6月、文藝春秋)(第22回松本清張賞「ウインドノーツ」改題)
『ヒトリコ』 (2015年6月、小学館)第16回小学館文庫小説賞

1月 新年会
2月
●森絵都『クラスメイツ』(偕成社、2014)




関屋キャンパスからの通算7年目、小阪キャンパスに移転、再開して二年目。

この年は、鉄板の古典、バージニア・リー・バートンの絵本をはさんで、比較的新しく、生きのよいYAが並びました。
参加者の意識や好み、仕事上のアップデートの必要が反映されています。

また、YAの翻訳出版の活性化、子どもに読みやすく、新しい本への要求、期待の高まりが、背景にあります。

古めかしい本にはなかなか子どもの手がのびないということが以前よりも認知されてきました。
学校司書も増えてきて、今、目の前にいる子ども、そしてこれからの多様化する社会を生きていく子どもに、どんな本をすすめればいいのかが問われていることを感じます。

特に、非常に話題を呼んでいた『ワンダー』、そして、デビューしたばかりで受賞ラッシュだった額賀澪と、久々にYAに戻ってきた森絵都の読み比べは、とても新鮮で刺激の多い読書となりました。

『ワンダー』は、先天性の染色体異常により、顔に顕著な骨形成不全などがあらわれるトリーチャー・コリンズ症候群の少年オーガストが主人公です。
身体障碍者は、子どもの本にも比較的よく取り上げられますし、心理面の問題を抱える主人公もYAには珍しくありません。
また、精神障碍者が、社会の様々な場面で不可視化されていることは、以前から各方面で指摘されています。
自分を醜いと思い込んでしまう心理的な問題、あるいは、傷や痣などの見た目をケアするカバーメイク、ケアメイクの存在などは知っていましたし、それなりに関心を寄せていました。
しかし、私自身の不明を恥じなければなりませんが、この作品に出会うまで、トリーチャー・コリンズ症候群のような人を身近には知らず、これまで考慮してみたこともまったくありませんでした。

この作品は、いくつかのパートに分かれていて、そのパートごとに視点人物が移り変わっていきます。
その構成によって、センシティブな内容を取り扱いながら、突き放しすぎず、寄り添いすぎず、登場人物を誰一人としておろそかにしないで語ることに成功しています。
主人公のオーガストはもちろん、その家族、まわりの子どもたち、さらにそれをとりまく先生や親、といった登場人物について、心の機微、ささやかな行動の積み重ね、それらが波及して起こる反応や行動、出来事の連鎖が丁寧に描かれていきます。

オーガストをいじめる子どもも、単なる悪い子、主人公の敵という型にははめずに、背景にも筆を届かせて、その心のうちをきちんと想像させてくれます。
徐々にオーガストとうちとけていく子どもたち、親しくなっていく仲間についても、決して単なるいいやつとして描きません。

絡み合う人間模様、個々人の複雑な思い、心の揺らぎをとらえ、描かれていることのさらに外側を想像させることで、単なる勧善懲悪もの、感動ものとは一線を画しました。

パートが変わるたびに、別の視点を与えられるので、読者は、謎解き、答え合わせの面白さも味わいながら、多面的に、物語を構築していくことができます。
パートが切り替わる前後のつなぎ方、スイッチの仕方も見事でした。

登場人物との距離の取り方、視点の切り替えの妙でしょうか。
大変センシティブで深い内容ながら、さらさらと読めて、読後感はまったく重たくありません。
現実は厳しく、つらいこともたくさんあるけれど、泣いて笑って、あくまで爽やか。
あきらめないで、希望を捨てないで、生きていける、生きていこう。そんな風に背中をすこしおしてくれる、そんな本です。

この作品と、この作品を原作とした映画は、どちらも高く評価されました。
その社会に与えたインパクトは相当のものだったと思います。

こんな風に(↓)、耳目にふれる機会が増えたのも、この作品の影響では……と考えます。
「顔ニモマケズ、僕は生きる 内面好きと言ってくれた彼女」(朝日新聞デジタル)

新鮮で切実でひりひりするような作品は、確実に、子どもたちの心に響くはず。
そして、大人にも届きます。
優れた作品は、社会の変化を少し促すことができる、そんなYAの力を感じるこの頃です。

このときはたしか、学会の企画で森絵都さんのお話を聴く機会があり、『クラスメイツ』創作にまつわるエピソードなどもうかがいました。
お話の内容もとても興味深く、面白かったのですが、森絵都さんの人となり、たたずまい、丁寧に発せられる声や言葉にふれて、作品の背骨のようなものを感じられたことが印象的でした。




映画も原作をリスペクトした丁寧な作りで、素晴らしい作品でした。
パートごとにフォーカスする人物が移っていく構成が映画にも生きています。










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読書会⑥2015年

研究室で開催している読書会のまとめを少しずつアップしています……。
やっと6年目まできました。

2015年 (平成27年) 6年目

~5月まで お休み

6月 20150627
●セリア・リーズ著 『魔女の血をひく娘』(1・2) 理論社 2003年 2006年
 →関連記事 「魔女の血をひく娘」へ

8月 20150801
●上橋菜穂子 『精霊の木』

9月 20150829
●シャーマン・アレクシー 『はみだしインディアンのホントにホントの物語』

10月 20151010
●シロドーラ・クローバー『イシ:北米最後の野生インディアン』(岩波書店)
  →関連記事 二つの世界を生きる

11月 お休み
12月 忘年会

1月
●ローラ・インガルス・ワイルダー「大きな家」シリーズ
2月
●ローラ・インガルス・ワイルダー「大きな家」シリーズ
 →関連記事① 読書会の予定 大草原の小さな家 (2015-10-31)
 →関連記事② 読書会「大草原の小さな家」シリーズ (2016-02-06)
 →関連記事③ 小さな家のローラ生誕150周年イベント (2018-02-01)

 →関連記事おまけ のっぽのサラ more (2012-09-26)



前年度の3月から5月までは、休会でした。

キャンパス移転、統合により、東大阪の新たな研究室にお引越ししての再開。
あまり間があくと、どんどん億劫になってしまうし、心が離れてしまうので、なんとか早期に再開を!と念じていたことを思い出します。
とはいえ、移転前後はとても忙しく、体力面も厳しく、生活も大きく変わったので、再開して大丈夫かな……と不安まじりでした。

場所が変わって、勤務地やご自宅から遠くなった方も多かったのですが、みなさんが再開を楽しみに待っていてくださり、また戻ってきてくれたことはとても嬉しく、久々の集まりを開いたときには、なんだか、わくわくしていました。

そういうわけで、この一年間は、回数は減ったものの、非常に充実したラインナップで終えることができました。
並んでいる本のタイトルに、再開を待っていたメンバーの意気込みが感じられます。
どの本も、参加者には好評で、楽しく、深く、盛り上がった読書会でした。

作品をご存知の方には、この流れの意味が理解できるでしょうか。
旧世界から新世界への移民、先住民と移民との関わり、交わり、アメリカの開拓史に焦点をあてたラインアップとなりました。
最初からこんな風に計画したわけではなく、一冊読んでは話し合い、考え、疑問がふくらみ、もっともっとと話が広がっていったなかで、じゃぁ、次はこれ、次はこれ、と課題が決まっていった結果です。
みんなで読むことの面白さ、醍醐味はこういうところにあると思います。

過去と現在を行ったり来たり、フィクションとノンフィクションを行ったり来たり。
ぐるぐるとらせんを描くように、読書が深まり、興味、感心が広がり、理解が深まった一年でした。

『イシ』の作家シオドーラ・クローバーは、「ゲド戦記」シリーズのアーシュラ・ル・グィンの母親です。
「ゲド戦記」の作家の背景が分かると作品の理解も深まります。

読書を重ねてから、ワイルダーの「大きな家」シリーズを再読してみると、書かれていないことがいかにたくさんあるのかが見えてきます。

素晴らしい読書を重ねて、読書会の再開が祝された1年でした。

あらためて、読書会が続けられていることに感謝、ともに読書を積み重ねてきた仲間に感謝しつつ、今年も暮れていきます。
さて、来年はどんな本、どんな読書が待っているでしょうか。







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読書会⑤2014年

・・・・・・読書会の記録を少しずつアップしています。

2014年(平成26年)5年目

4月 ●持ち寄りブックトーク
「道」(T)、「私の住んでいるところ」(N)、保育現場から(M)などなど

5月 ●持ち寄りブックトーク「赤ちゃん絵本」 & 慰労会・激励会(ゲスト参加)

6月 ●昨年1年間に出た本

7月 ●加古里子の絵本 ~ 知っているつもりの古典絵本~

8月お休み

9月   ●トーヴェ・ヤンソン「ムーミン」シリーズ ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~

10月 ●トーヴェ・ヤンソン「ムーミン」シリーズ ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~

11月 ●キャサリン・M ・ブリッグズ 『魔女とふたりのケイト』(神村)

12月 休み
1月 新年会
2月 ●「フランバーズ屋敷の人びと」シリーズ ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~
3月から休会




・・・・・・長らくお世話になった関屋キャンパスでの読書会はこれでおしまい。
しばらくキャンパス移転のため、休会・・・・・・。
今思えば、5年目という、なんとなく区切りの年にキャンパス移転が重なったんですね。

そして、この年には、ずっと参加して下さったメンバーさんにもいろいろと変化がありました。
それで、5月には、研究室をはなれて、慰労会を開催しています。
職場の異動、出産、お子さんの進級や卒業……。
女性が集まると、ほんとうに、いろいろな節目がめぐってくるものですね。
そして、その影響をもろに受けるのは女性なんだな、と、そのメリット、デメリット、いろいろな見方はできますが、強く感じます。

読書会の参加者はみなさん、まじめ!で、粘り強くて、弱る時もあり、忙しくて読書会に来れない時期もありながら、いろんなことに立ち向かうともなく立ち向かい、読書会とも細く長くつながって下さっています。

そんなわけで、互いに互いの健闘を祝すことがあってもいいのではないかと思って、ちょっといつもとは違う特別な会をひらいたのでした。ふだん、こころよく、母親を送り出してくれる子どもも、この時にはゲストとして参加してくれました。

お外での食事会でも、ちゃんとお題を決めて、本を持ち寄りました。なんて真面目!? 画期的でしたね(笑)。
お題は「赤ちゃん絵本」。
妙齢の(?)男の子がおばさんに絵本を読み聞かせてくれることなんて、そうそうないですから、素晴らしい読書会だったことはいうまでもありません。
今では懐かしい、貴重な思い出の一コマです。

通常の読書会についても、ブックトークあり、名作再読あり、一年間に出た本の回顧、絵本と、従来路線を踏襲しつつ、なかなか充実した一年でした。

長編が課題となった場合はもちろん、それだけでなく、諸事情から出席者が少ない回も増えてきまして、一回では終わらず、二回、三回と同じ本をとりあげることもこの頃から増えてきました。

持ち寄りブックトークは、個性があらわれて、テーマも、それにそって選ばれた本も印象に残ります。
何より、その時に、一人ひとりが、どんな表情で、どんな口ぶりで、本を紹介したり、読んだりしていたか、というのがとても印象に残ります。
心のこもった読み聞かせの深い味わい。好きなことについて一生懸命語る人の美しい表情。
それが人の心を打つし、そういうことの細部が脳裏に焼きつくんですね。
ゼミの卒業生が、赤ちゃん向けの絵本を紹介しながら、職場で関わっている子どもたちについて愛おしそうに語ってくれたことなどが、ありありと思い出されます。

キャサリン・M ・ブリッグズ 『魔女とふたりのケイト』は、あまり有名ではないかもしれません。
「くるみわりのケイト」として知られるイギリスの昔話を題材にして、歴史的な事実などもうまく取り込んで作られています。
「くるみわりのケイト」を語るのが好きなので、それに関係ある本として、紹介しました。

しばらく読書会を続けてみて、続けることのしんどさはもちろんあるのですが、読書の力や、同じ本をみんなで読むことで結びつけられ、支えられ、そこから力を引き出すことができる、そんなことを感じます。

キャンパス移転の前後は、とても大変でした。
まさしく「突貫工事」で、引っ越し作業をしていました。
学生たちもよく手伝ってくれて、当時のゼミ生はよくがんばってくれたと、感謝の思いがわいてきます。
そんなこんなで、この年は移転作業で暮れました。

読書会の一時休会を決めた時点では、移転後に再開するかどうか、継続できるかどうか、迷っていて結論は出せていませんでした。
読書会をはじめてちょうど5年目。
振り返ってみると、読書会にとっても、読書会メンバーにとっても、私にとっても、いろいろな意味で、節目を乗り越える時期だったのかもしれません。

さてさて、無事、再開できたかどうかは、次の「読書会⑥」でお読みください。




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読書会④2013年

2013年(平成25年) 4年目

読書会まとめ記事、第4弾です。

4月 20130413
●エーリヒ・ケストナー『エーミールと探偵たち』 ~ 読んでおきたい?!古典・定番・名作~

5月 201305
●あまんきみこさんの講演会(SH)

6月 20130608
●エーリヒ・ケストナー(神村)

7月 20130708
●課題図書について(TM)
●ブックトーク中学生向け「せなか」(NT)
 →関連記事① 「読書会①課題図書について」
 →関連記事② 「読書会②ブックトーク(中学生)」


8月 休み
9月 20130907
●百舌鳥・古市古墳群、竹内街道・横大道1400年にちなみ、日本の古代の歴史について学ぶ(TM・TA・FY)

10月 20131005
●昔話とメディアについて考える(TM)

11月 20131116
●日本の古代に取材したファンタジー作品

12月 忘年会
1月 20140125
●映画『風の丘を越えて~西便制』イム・グォンテク(林 權澤)監督(1993)(神村)

2月 20130201
●映画『スケッチ・オブ・ミャーク』(大西功一監督、久保田麻琴原案、監修、整音)(神村)

3月 20130308
●「古事記」




7月、8月、10月と図書館さんの行事や講座などの関連で、様々情報をシェアしていただいたり、関連の本を探して読んでみたりということが続きました。
当たり前の日常の中に、伝説も遺跡もたくさんあって、ふとしたときに、聖徳太子やヤマトタケルに出会える、そんなお土地柄。
それもまたありがたいことですよね。
そして、仕事熱心、勉強熱心な司書さんに感謝。

あまんきみこさんの会は、講演会に参加された方が持っておられた資料などをシェアしていただきました。
あまんさんのお人柄にふれたような気がして、また作品をてにとってみようかと思える貴重な機会でした。

前半に、ドイツの作家、エーリヒ・ケストナーを二回とりあげています。
かなり詳しい最近の伝記をひもときながら、第二次大戦中のケストナーの立場やその背景などを掘り下げました。
ナチス・ドイツの国策映画、ドイツとアメリカのプロパガンダ映画合戦、亡命ユダヤ人とアメリカの映画産業などなど、背景を描きながら、ケストナーがどのような立ち位置にあり、「その時、何をしていたのか」を問い直すと、児童文学作家としてだけとらえていては見えてこないことが見えてきました。

昔話とメディアについて考えたり、語りの講座を受けたりする流れのなかで、珍しく、映画を二本、鑑賞しています。
これにはいろいろなきっかけがあったのですが、そのひとつは、過去記事をご覧ください。↓

関連記事③→親子で楽しむアフリカの昔話と音楽
関連記事④→アフリカの絵本とおはなしと音楽


アフリカの語り音楽と絵本を楽しむ講座に息子と一緒に参加しました。
素晴らしい体験でした。今ではいい思い出です。

そしてその後、同じく山村規子先生の語りに関する講座を受講し、先生をかこんで、司書さん、受講者とお話する時間がもてたことで、さまざまな刺激を受けました。

私が以前から気になっていた、日本のゴゼ唄と、朝鮮の伝統芸能パンソリの関係について、山村先生と話題にしたことがきっかけで、『風の丘を越えて』につながりました。
パンソリの語り、うたいの様相がよく分かる映画です。
韓国映画が注目され始めた時期の映画としてもおさえておきたい映画です。l
『スケッチ・オブ・ミヤーク』は、宮古島に残る神謡に取材したドキュメンタリー映画です。
この映画は、ほんとうに、たまたま、監督さんのトーク付きの上映会を見つけて、鑑賞しに行ったものです。
特別な演出のない淡々とした映画でしたが、このタイミングでなければ撮れなかった映像、映画で、深い感動がありました。

生の語りというものにふれる機会が少ない昨今、こういった映像資料なども利用して、少しでもその真髄に少しでもふれたい、近づきたいと思います。
また、『スケッチ・オブ・ミヤーク』のような映画が残されることの文化的意義ははかりしれません。

みんなの興味・関心のおもむくまま、話の流れるままに、単なる読書にとどまらない広がりがあり、様々な刺激を受けて、感じ考えた1年だったようです。



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