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子どもたちへ 本を届けよう

西日本から 子どもたちへ本を届けよう ネットワーク

少年弁護士セオの事件簿 ジョン・グリシャム

この夏、小学校高学年の息子が読んでいた本をご紹介します。子どもが大きくなってくると、これまでとは違う本との出会いが楽しめます。

法廷サスペンス、法廷ミステリーを次々と出版。そして、出る本、出る本、次々と映画化され、そして映画もみんな大ヒット!!
『ザ・ファーム/法律事務所 The Firm』、『ペリカン文書 The Pelican Brief』(1992)、『依頼人 The Client』 (1993) などなど……、と、こうして並べれば、皆さんもきっとご存知のはず……の、ジョン・グリシャム。

もちろん、私も、ジョン・グリシャムは知っていました。が、ジョン・グリシャムが、子どもの本を書いていたなんて……とびっくりしたのが、こちら。
ジョン・グリシャムが若い世代向けに書いた法廷ミステリー、「少年弁護士セオの事件簿」シリーズです。

少年弁護士セオの事件簿 (1) なぞの目撃者少年弁護士セオの事件簿 (1) なぞの目撃者
(2011/09/16)
ジョン グリシャム

商品詳細を見る


しかも、なんと、翻訳は、「黒魔女さんが通る!!」シリーズなどで、子どもたちに大人気の作家石崎洋司さん。
……とくれば、もう、面白いこと間違いなし、売れること間違いなし!でしょう。

 * * * * * * * * * * * * * *

ところで、グリシャムといえば、すいすい読めるベストセラーをばんばん書いて売れている作家……というイメージしかなかったので(ファンのみなさま、すみません)、そのグリシャムが何を思って子ども向けの本を???と不思議に思ったのですが……。

少し経歴などを見てみると、グリシャムは労働階級の家庭に生まれ育ったなかなかの苦労人のようで……。若い頃は野球選手をめざしたが挫折。苦学して法律家になり、その経験を活かして、作家として成功してからは、私財を投じて、様々なボランティアや文化活動を行い……。

とまぁ……こんなふうで、なんというか……、かつて、「アメリカ的良心」なんていう言葉がありましたが、グリシャムは、まさに「アメリカ的な成功者」で、「アメリカ的良心」という言葉がぴったりの人という気がしてきます。

そんなグリシャムなりの、子どもに対する思い、教育に対する思いがあってのこの作品。
子ども向けだからつまらない、子ども向けだからいい加減、子ども向けだから簡単……ということは決してありません。
子どもに分かりやすく、面白く、配慮が行き届いていながら、ストーリーテラーとしての面目躍如。ぐいぐい読ませてしまう作品に仕上がっています(もちろん、子どもの本ですから、ミステリーファンの大人には物足りないところがあると思いますが……)。

もちろん、法廷もの。当然のことながら、難しい法律用語もたくさん出てきます。

そして、子ども向けだから、どうせ、たわいない事件なんでしょ、本当の悪人なんか出てこないんでしょ、子どもにも解決できる簡単な事件なんでしょ、と思ったら、大間違いで、殺人事件をはじめ、ややこしい事件が次々と発生します。

難事件に取り組むのは少年セオ。
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小澤俊夫先生「昔話」講演会

小澤俊夫氏 講演会
昔話に学んで、子どもの生きる力を育てよう

9月1日(日)10:00~12:00 生駒市図書館にて

講 師   昔ばなし研究者の小澤俊夫氏(筑波大学名誉教授)

料 金   無料


定 員   300人(要申込)

申 込   図書館へ電話するか、直接生駒市内5図書館・室でお申し込みを。
       TEL0743-75-5000(生駒市図書館)

アクセス   近鉄東生駒駅から北へ約700m。
        または、あすか野センター、白庭台駅、ひかりが丘行バスに乗車、図書会館前バス停下車すぐ。
図書館URL  Llib.city.ikoma.lg.jp/toshow/moyoosi.html


☆小澤先生の研究活動、出版物について知りたい方はこちらをどうぞ!
小澤昔ばなし研究所
URL http://www.ozawa-folktale.com/



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小澤昔ばなし研究所より出版されいる昔ばなしの再話集↓。
京都、大阪、兵庫などの昔ばなしが多数おさめられています。


石のカヌー (子どもに贈る昔ばなし 12)石のカヌー (子どもに贈る昔ばなし 12)
(2011/01)
大阪昔ばなし大学再話コース

商品詳細を見る



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香芝子どもと本のまつり2013!

今日は、香芝子どもと本のまつり2013~昔話と人形劇を楽しもう~でした。

とってもかわいらしいPDFチラシはこちらをクリック

子どもと本をつなぐ会主催、香芝市民図書館協賛のこのイベントも今年で四年目。
だいぶん根付いてきて、毎年心待ちにして下さっている方もいるようです。

そんなわけで、今年も、たくさんのお客様が来て下さり、会場は、夏の暑さなんかに負けない、子どもたちの元気でいっぱい!!

さて、今年のプログラムは……。
絵本「へびくんのおさんぽ」
昔話「てんまのとらやん」

そして……人形劇団クラルテの人形劇は……ロシアの民話より『ソーニャと森の魔女』
おまけに、手作りおもちゃのワークショップ

お子さんはもちろん、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、一緒になって、楽しんで下さり、心も体も満ち足りて帰って行かれる姿が見られました。

へびくんのおさんぽ (たんぽぽえほんシリーズ)へびくんのおさんぽ (たんぽぽえほんシリーズ)
(1992/05)
いとう ひろし

商品詳細を見る


てんまのとらやんてんまのとらやん
(2000/01)
中川 健蔵

商品詳細を見る


「てんまのとらやん」は、香芝お話ローソクの会の大ベテランさんの語りで楽しみました。
それは生き生きとした土地言葉の語りで、子どもたちもしっかり聞いて、笑っていました。

難しい言葉も出てくるし、樽のタガはめ、傘はりなど、今では失われた仕事の情景も出てきますが、子どもたちは、分からないことはさして気にせず、面白いところはすかさず聴きとって、楽しんでしまうんですね~。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、クラルテさんの人形劇です。

団員もたくさんいらっしゃるし、演目も多彩なクラルテさんですが……。
今回の『ソーニャと森の魔女』は、内容も、演出も、声や演技も、これまで見たなかでは、一番素晴らしいと思いました。

……といっても、かなり個人的な好みも入っての評価なので、あしからず……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本では、山姥、ヨーロッパでは、魔女、そして、もちろん、ロシアといえば……、そう、ババ・ヤガー!!
ですよね。『ソーニャと森の魔女』も、ババ・ヤガーもの。

森の奥深くの一軒屋……。
しかも、その家には、鶏の足がついている……というのですから、怖ろしくも、滑稽で、なんともインパクトのある造形ではありませんか。

そんな家に住むなんて、どんなおばあさんだろうと、わくわくしてきます。だって、きっと、とびきり面白いに決まっていますもの。

山姥も、魔女も、異界の他者、自然界の不思議を体現する存在ですが、ババ・ヤガーの荒々しさ、恐ろしさ、滑稽さ、面白さ、不思議さ……、その魅力、魔力は、ヨーロッパ民話に現れる魔女や、日本の山姥の追随を許しません。
ロシアの昔ばなし、面白いですよ~。ドイツやイギリス、そして、イタリアなどの昔話も素敵ですが、文化的背景の異なるロシアのお話は、ヨーロッパらしさを感じさせながらも、一風変わった雰囲気があり、そこが魅力。

ロシア語は、ヨーロッパを二分するといってよいラテン語系、ゲルマン語系とは異なるスラヴ語系。
宗教は、同じくキリスト教とはいえ、カトリック、プロテスタントではなく、ギリシャから直接受け継いだ正教系。

そして、その土地柄、大陸的なスケールの大きさは圧倒的。
ヨーロッパとアジアが融合した、まさにユーラシア!……なので、土俗的な雰囲気が感じられ、素朴ながらも、カラフルで、濃密で、キッチュな味わいもあり……。

というわけなんです。ロシアの昔話が入っている本はたくさん出ているので、ぜひ読んでみてくださいね。


ロシアの昔話 (福音館文庫 昔話)ロシアの昔話 (福音館文庫 昔話)
(2002/06/20)
内田 莉莎子、 他

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それから、もうひとつ。ロシアといえば……。

ロシア伝統柄のマトリョーシカ ロシヤーノチカ  5個組 (赤頭巾)ロシア伝統柄のマトリョーシカ ロシヤーノチカ  5個組 (赤頭巾)
()
株式会社 アールジェイ コミュニケーションズ

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これこれ。
マトリョーシカです。

演目に合わせて、素材も形も様々な人形を使われるクラルテさんですが、『ソーニャと森の魔女』では、なんと、ロシア民話らしく、マトリョーシカ風の、素朴で可愛らしい木のお人形が使われていました。

もう、一目ぼれ……❤❤❤

特別にチラリ(?)とお見せすると、こんな…………といっても、この写真でどこまで伝わるかしら。
20130810152337_convert_20130810212847.jpg
機会があったら、クラルテの人形劇をご覧になって、ソーニャの可愛らしさをお確かめください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子どもたちって、怖いお話が大好きですよね。
劇をみながら、かくれんぼや鬼ごっこの怖さを思い出しました。遊びのなかで、お話のなかで、というのがポイントですね。

子どもたちの反応を見ながら、子どもって、追いつ追われつ、間一髪で逃げ切る逃走劇が大好きなんだなぁ、そして、そのお話のなかでは、ほんとうに怖がらせてほしいんだなぁとつくづく……。

真剣に怖がりながら、それを楽しんでもいる……というか、うれしそうに怖がっているというか……。

怖さにおびえ、はらはらドキドキしながら、ソーニャのけなげさ、元気さ、賢さに寄り添い、心の底から、ソーニャに声援を送る子どもたちを見て、お話の中で、怖いものと出会い、怖いものと闘って生き抜く体験が、子どもたちにとって、どれほど大切なものかを改めて考えさせられました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、お話ローソクの会の8月の行事はこれでおしまい。次は9月の図書館おはなし会になります。

毎年、9月のおはなし会を担当していますので、そろそろ、また、プログラムを考えないといけない時期になってしまいました。一年は早いですね~(笑)。

はてさて、わたしは何を語ろうか、今年は何を語ろうか……、思案のしどころです。



関連記事

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影の王 スーザン・クーパー

『影の王』 スーザン・クーパー 井辻朱美訳 偕成社 2002
King of Shadows, Susan Cooper.

大阪樟蔭女子大の図書館発行の冊子『私(せんせい)のすすめる一冊5』より転載。句読点、改行を増やし、加筆しています。


影の王影の王
(2002/03/12)
スーザン・クーパー

商品詳細を見る


ナットは、アメリカ全土から選ばれた仲間たちとともに、アメリカからロンドンへやってきた。

シェイクスピアの時代さながらに再建された「グローブ座」、シェイクスピアが「木でできたO」とよんだ劇場で、「夢」の妖精パックを演じるために。

初めて見るロンドンの街も、グローブ座も素晴らしかった。

しかし、劇場でのリハーサルが始まったその日、急に気分が悪くなり、意識を失ってしまう。

目を覚ましたナットは、グローブ座に加わる新人として、芝居の稽古に連れて行かれた。
ナットの目に映ったのは、400年前のロンドン。そして、400年前のグローブ座。そこは、シェイクスピア自身が活躍する本物のグローブ座だった。

シェイクスピアに才能を見出され、シェイクスピア演じるオベロンとともに、ナットは妖精パックとして舞台に立つ……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

400年の時を越えて、二つの時代のロンドンが重なりあい、交錯するタイム・ファンタジー。

シェイクスピアの活躍した劇場として知られるグローブ座は17世紀に取り壊されましたが、1997年に、当時と同じ場所に、当時の同じ形で再建されました。
というわけで、この作品は、その出来事をタイムリーに作品に取り込んでいます。

円環をなすグローブ(地球)座が呼吸しはじめる時、劇場という小宇宙、劇場の魔力に包まれて、少年と劇作家の二つの運命が交錯し、一つの夢が紡ぎだされてゆきます。

その特別な瞬間、場所に立ち会うことのできる喜び。

一場の夢を見るような、極上の読書体験をどうぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


こんな作品のなかで、シェイクスピアの戯曲に出会えるなんて、贅沢ですよね。
子どもの頃にこの本があれば、シェイクスピア作品の面白さに、もっと早く目覚めたかも……?

というわけで、優れたタイム・ファンタジーとしてはもちろん、シェイクスピアと出会う、シェイクスピア作品にふれる第一歩としてもおすすめです。

『私(せんせい)のすすめる一冊5』 大阪樟蔭女子大学図書館編・発行 2011.3.20より転載。

※『影の王』は、シェイクスピアの作品を知らなくても、十分楽しめる作品ですが、妖精パックとオベロンは、シェイクスピア『真夏の夜の夢』の登場人物。
劇中劇でひっかかるのが嫌な方は、先に予習を。
この作品を読んで興味がわいたら、あとで手にとってみてくださいね。


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子どもたちへ 本を届けよう 子どもたちへ 本を届けよう 2013年08月

子どもたちへ 本を届けよう

西日本から 子どもたちへ本を届けよう ネットワーク

少年弁護士セオの事件簿 ジョン・グリシャム

この夏、小学校高学年の息子が読んでいた本をご紹介します。子どもが大きくなってくると、これまでとは違う本との出会いが楽しめます。

法廷サスペンス、法廷ミステリーを次々と出版。そして、出る本、出る本、次々と映画化され、そして映画もみんな大ヒット!!
『ザ・ファーム/法律事務所 The Firm』、『ペリカン文書 The Pelican Brief』(1992)、『依頼人 The Client』 (1993) などなど……、と、こうして並べれば、皆さんもきっとご存知のはず……の、ジョン・グリシャム。

もちろん、私も、ジョン・グリシャムは知っていました。が、ジョン・グリシャムが、子どもの本を書いていたなんて……とびっくりしたのが、こちら。
ジョン・グリシャムが若い世代向けに書いた法廷ミステリー、「少年弁護士セオの事件簿」シリーズです。

少年弁護士セオの事件簿 (1) なぞの目撃者少年弁護士セオの事件簿 (1) なぞの目撃者
(2011/09/16)
ジョン グリシャム

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しかも、なんと、翻訳は、「黒魔女さんが通る!!」シリーズなどで、子どもたちに大人気の作家石崎洋司さん。
……とくれば、もう、面白いこと間違いなし、売れること間違いなし!でしょう。

 * * * * * * * * * * * * * *

ところで、グリシャムといえば、すいすい読めるベストセラーをばんばん書いて売れている作家……というイメージしかなかったので(ファンのみなさま、すみません)、そのグリシャムが何を思って子ども向けの本を???と不思議に思ったのですが……。

少し経歴などを見てみると、グリシャムは労働階級の家庭に生まれ育ったなかなかの苦労人のようで……。若い頃は野球選手をめざしたが挫折。苦学して法律家になり、その経験を活かして、作家として成功してからは、私財を投じて、様々なボランティアや文化活動を行い……。

とまぁ……こんなふうで、なんというか……、かつて、「アメリカ的良心」なんていう言葉がありましたが、グリシャムは、まさに「アメリカ的な成功者」で、「アメリカ的良心」という言葉がぴったりの人という気がしてきます。

そんなグリシャムなりの、子どもに対する思い、教育に対する思いがあってのこの作品。
子ども向けだからつまらない、子ども向けだからいい加減、子ども向けだから簡単……ということは決してありません。
子どもに分かりやすく、面白く、配慮が行き届いていながら、ストーリーテラーとしての面目躍如。ぐいぐい読ませてしまう作品に仕上がっています(もちろん、子どもの本ですから、ミステリーファンの大人には物足りないところがあると思いますが……)。

もちろん、法廷もの。当然のことながら、難しい法律用語もたくさん出てきます。

そして、子ども向けだから、どうせ、たわいない事件なんでしょ、本当の悪人なんか出てこないんでしょ、子どもにも解決できる簡単な事件なんでしょ、と思ったら、大間違いで、殺人事件をはじめ、ややこしい事件が次々と発生します。

難事件に取り組むのは少年セオ。
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小澤俊夫先生「昔話」講演会

小澤俊夫氏 講演会
昔話に学んで、子どもの生きる力を育てよう

9月1日(日)10:00~12:00 生駒市図書館にて

講 師   昔ばなし研究者の小澤俊夫氏(筑波大学名誉教授)

料 金   無料


定 員   300人(要申込)

申 込   図書館へ電話するか、直接生駒市内5図書館・室でお申し込みを。
       TEL0743-75-5000(生駒市図書館)

アクセス   近鉄東生駒駅から北へ約700m。
        または、あすか野センター、白庭台駅、ひかりが丘行バスに乗車、図書会館前バス停下車すぐ。
図書館URL  Llib.city.ikoma.lg.jp/toshow/moyoosi.html


☆小澤先生の研究活動、出版物について知りたい方はこちらをどうぞ!
小澤昔ばなし研究所
URL http://www.ozawa-folktale.com/



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

小澤昔ばなし研究所より出版されいる昔ばなしの再話集↓。
京都、大阪、兵庫などの昔ばなしが多数おさめられています。


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(2011/01)
大阪昔ばなし大学再話コース

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香芝子どもと本のまつり2013!

今日は、香芝子どもと本のまつり2013~昔話と人形劇を楽しもう~でした。

とってもかわいらしいPDFチラシはこちらをクリック

子どもと本をつなぐ会主催、香芝市民図書館協賛のこのイベントも今年で四年目。
だいぶん根付いてきて、毎年心待ちにして下さっている方もいるようです。

そんなわけで、今年も、たくさんのお客様が来て下さり、会場は、夏の暑さなんかに負けない、子どもたちの元気でいっぱい!!

さて、今年のプログラムは……。
絵本「へびくんのおさんぽ」
昔話「てんまのとらやん」

そして……人形劇団クラルテの人形劇は……ロシアの民話より『ソーニャと森の魔女』
おまけに、手作りおもちゃのワークショップ

お子さんはもちろん、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、一緒になって、楽しんで下さり、心も体も満ち足りて帰って行かれる姿が見られました。

へびくんのおさんぽ (たんぽぽえほんシリーズ)へびくんのおさんぽ (たんぽぽえほんシリーズ)
(1992/05)
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てんまのとらやんてんまのとらやん
(2000/01)
中川 健蔵

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「てんまのとらやん」は、香芝お話ローソクの会の大ベテランさんの語りで楽しみました。
それは生き生きとした土地言葉の語りで、子どもたちもしっかり聞いて、笑っていました。

難しい言葉も出てくるし、樽のタガはめ、傘はりなど、今では失われた仕事の情景も出てきますが、子どもたちは、分からないことはさして気にせず、面白いところはすかさず聴きとって、楽しんでしまうんですね~。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして、クラルテさんの人形劇です。

団員もたくさんいらっしゃるし、演目も多彩なクラルテさんですが……。
今回の『ソーニャと森の魔女』は、内容も、演出も、声や演技も、これまで見たなかでは、一番素晴らしいと思いました。

……といっても、かなり個人的な好みも入っての評価なので、あしからず……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本では、山姥、ヨーロッパでは、魔女、そして、もちろん、ロシアといえば……、そう、ババ・ヤガー!!
ですよね。『ソーニャと森の魔女』も、ババ・ヤガーもの。

森の奥深くの一軒屋……。
しかも、その家には、鶏の足がついている……というのですから、怖ろしくも、滑稽で、なんともインパクトのある造形ではありませんか。

そんな家に住むなんて、どんなおばあさんだろうと、わくわくしてきます。だって、きっと、とびきり面白いに決まっていますもの。

山姥も、魔女も、異界の他者、自然界の不思議を体現する存在ですが、ババ・ヤガーの荒々しさ、恐ろしさ、滑稽さ、面白さ、不思議さ……、その魅力、魔力は、ヨーロッパ民話に現れる魔女や、日本の山姥の追随を許しません。
ロシアの昔ばなし、面白いですよ~。ドイツやイギリス、そして、イタリアなどの昔話も素敵ですが、文化的背景の異なるロシアのお話は、ヨーロッパらしさを感じさせながらも、一風変わった雰囲気があり、そこが魅力。

ロシア語は、ヨーロッパを二分するといってよいラテン語系、ゲルマン語系とは異なるスラヴ語系。
宗教は、同じくキリスト教とはいえ、カトリック、プロテスタントではなく、ギリシャから直接受け継いだ正教系。

そして、その土地柄、大陸的なスケールの大きさは圧倒的。
ヨーロッパとアジアが融合した、まさにユーラシア!……なので、土俗的な雰囲気が感じられ、素朴ながらも、カラフルで、濃密で、キッチュな味わいもあり……。

というわけなんです。ロシアの昔話が入っている本はたくさん出ているので、ぜひ読んでみてくださいね。


ロシアの昔話 (福音館文庫 昔話)ロシアの昔話 (福音館文庫 昔話)
(2002/06/20)
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それから、もうひとつ。ロシアといえば……。

ロシア伝統柄のマトリョーシカ ロシヤーノチカ  5個組 (赤頭巾)ロシア伝統柄のマトリョーシカ ロシヤーノチカ  5個組 (赤頭巾)
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マトリョーシカです。

演目に合わせて、素材も形も様々な人形を使われるクラルテさんですが、『ソーニャと森の魔女』では、なんと、ロシア民話らしく、マトリョーシカ風の、素朴で可愛らしい木のお人形が使われていました。

もう、一目ぼれ……❤❤❤

特別にチラリ(?)とお見せすると、こんな…………といっても、この写真でどこまで伝わるかしら。
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機会があったら、クラルテの人形劇をご覧になって、ソーニャの可愛らしさをお確かめください。

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子どもたちって、怖いお話が大好きですよね。
劇をみながら、かくれんぼや鬼ごっこの怖さを思い出しました。遊びのなかで、お話のなかで、というのがポイントですね。

子どもたちの反応を見ながら、子どもって、追いつ追われつ、間一髪で逃げ切る逃走劇が大好きなんだなぁ、そして、そのお話のなかでは、ほんとうに怖がらせてほしいんだなぁとつくづく……。

真剣に怖がりながら、それを楽しんでもいる……というか、うれしそうに怖がっているというか……。

怖さにおびえ、はらはらドキドキしながら、ソーニャのけなげさ、元気さ、賢さに寄り添い、心の底から、ソーニャに声援を送る子どもたちを見て、お話の中で、怖いものと出会い、怖いものと闘って生き抜く体験が、子どもたちにとって、どれほど大切なものかを改めて考えさせられました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、お話ローソクの会の8月の行事はこれでおしまい。次は9月の図書館おはなし会になります。

毎年、9月のおはなし会を担当していますので、そろそろ、また、プログラムを考えないといけない時期になってしまいました。一年は早いですね~(笑)。

はてさて、わたしは何を語ろうか、今年は何を語ろうか……、思案のしどころです。



関連記事

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影の王 スーザン・クーパー

『影の王』 スーザン・クーパー 井辻朱美訳 偕成社 2002
King of Shadows, Susan Cooper.

大阪樟蔭女子大の図書館発行の冊子『私(せんせい)のすすめる一冊5』より転載。句読点、改行を増やし、加筆しています。


影の王影の王
(2002/03/12)
スーザン・クーパー

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ナットは、アメリカ全土から選ばれた仲間たちとともに、アメリカからロンドンへやってきた。

シェイクスピアの時代さながらに再建された「グローブ座」、シェイクスピアが「木でできたO」とよんだ劇場で、「夢」の妖精パックを演じるために。

初めて見るロンドンの街も、グローブ座も素晴らしかった。

しかし、劇場でのリハーサルが始まったその日、急に気分が悪くなり、意識を失ってしまう。

目を覚ましたナットは、グローブ座に加わる新人として、芝居の稽古に連れて行かれた。
ナットの目に映ったのは、400年前のロンドン。そして、400年前のグローブ座。そこは、シェイクスピア自身が活躍する本物のグローブ座だった。

シェイクスピアに才能を見出され、シェイクスピア演じるオベロンとともに、ナットは妖精パックとして舞台に立つ……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

400年の時を越えて、二つの時代のロンドンが重なりあい、交錯するタイム・ファンタジー。

シェイクスピアの活躍した劇場として知られるグローブ座は17世紀に取り壊されましたが、1997年に、当時と同じ場所に、当時の同じ形で再建されました。
というわけで、この作品は、その出来事をタイムリーに作品に取り込んでいます。

円環をなすグローブ(地球)座が呼吸しはじめる時、劇場という小宇宙、劇場の魔力に包まれて、少年と劇作家の二つの運命が交錯し、一つの夢が紡ぎだされてゆきます。

その特別な瞬間、場所に立ち会うことのできる喜び。

一場の夢を見るような、極上の読書体験をどうぞ。

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こんな作品のなかで、シェイクスピアの戯曲に出会えるなんて、贅沢ですよね。
子どもの頃にこの本があれば、シェイクスピア作品の面白さに、もっと早く目覚めたかも……?

というわけで、優れたタイム・ファンタジーとしてはもちろん、シェイクスピアと出会う、シェイクスピア作品にふれる第一歩としてもおすすめです。

『私(せんせい)のすすめる一冊5』 大阪樟蔭女子大学図書館編・発行 2011.3.20より転載。

※『影の王』は、シェイクスピアの作品を知らなくても、十分楽しめる作品ですが、妖精パックとオベロンは、シェイクスピア『真夏の夜の夢』の登場人物。
劇中劇でひっかかるのが嫌な方は、先に予習を。
この作品を読んで興味がわいたら、あとで手にとってみてくださいね。


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